活用事例

Dejeroが第12回南アメリカ競技大会をサポート

100台以上のEnGoを使用し、テレビ史上初の完全リモートマルチスポーツ制作を実現

2022年12月6日
株式会社朋栄
東京都渋谷区恵比寿3-8-1

第12回南アメリカ競技大会
Dejeroは、南米パラグアイのアスンシオンで開催された第12回南アメリカ競技大会でQuality社をサポートして初の完全リモートマルチスポーツプロダクションを実現し、テレビの歴史に名を残しました。
第12回南アメリカ競技大会
Quality社の90台以上のカメラからのライブ映像は、アスンシオンのスポーツ会場にあるDejero EnGoから、国際放送センター(IBC)やQuality社のブエノスアイレス拠点に置かれたWayPointレシーバーに送信されました。
第12回南アメリカ競技大会Quality社ディレクターは、リモート拠点からEnGoのIFB音声通信機能を使用して、各スポーツ会場にいるカメラオペレーターに指示を出すことができました。

いずれも画像提供:Quality社

株式会社朋栄(代表取締役社長 清原克明、東京都渋谷区)が国内総販売代理店をしているDejero Labs Inc.(カナダ オンタリオ州ウォータールー、www.dejero.com)は、パラグアイのアスンシオンで開催された第12回南アメリカ競技大会において、国際的な制作会社であり、共同ホスト放送局であるQuality社をサポートし、テレビ史上初となる完全リモートマルチスポーツ制作を実現しました。

2022年10月1日から15日まで開催された第12回南アメリカ競技大会は、市内のさまざまなアリーナやその他の場所で53のスポーツが行われ、合計4,526人の選手が参加しました。これらのスポーツをライブ撮影するために、90台以上のカメラを配置。各カメラは、スマートブレンディングテクノロジーを使用するLTEモバイルトランスミッターDejero EnGoに接続されました。Dejeroのスマートブレンディングテクノロジーは、変動する帯域幅、パケット損失、個々の接続の遅延量の違いをリアルタイムに、正確に管理し、複数のIP回線に同時に接続します。南アメリカ競技大会では、会場内のファイバー接続と、TIGO、CLARO、PERSONALなど、さまざまなローカルネットワークプロバイダーからの4Gセルラー接続を組み合わせ、仮想の「ネットワークのネットワーク」を形成することで、上り速度平均20Mbpsを達成しました。

今回のスポーツ中継について、「私たちは、共同ホストの放送局であるABCおよびIMGと提携して、この規模のマルチスポーツ番組を完全にリモートで制作したテレビ史上初の制作会社となりました。この完全リモートワークフローを駆使し、1カ所で最大14のスポーツを同時にライブ制作できました」と説明するのは、Quality社の最高制作責任者であるパブロ・レイエス(Pablo Reyes)氏です。「アスンシオンにあるすべての会場とIBC(国際放送センター)、そしてブエノスアイレスの拠点で、Dejeroを使用したリモート制作ワークフローを構築したことで、NPV(正味現在価値)で約250万ドルを節約できました。このような大規模なスポーツプロダクションで使われる従来のマルチ中継車と比較して、今回の完全リモートワークフローでは、約6トンの物資と40人の移動を削減することができました。言うまでもなく、通常必要となる数100kmのケーブルの敷設もです。物流、機材量と人員の削減によって節約された時間とコストは計り知れません。」

EnGoはどこからでも中断のない信頼できる接続を提供するため、プロデューサーをはじめ、監督、グラフィックスオペレーター、技術者はブエノスアイレスに留まり、拠点から配信するコンテンツをまとめました。拠点のマイクはXLRオーディオケーブルでWayPoint受信機に接続されており、監督はEnGoのIFB音声通信機能を使用してカメラオペレーターに指示を伝えました。

この新しいリモートプロダクションでは、スポーツ会場に必要なのはEnGoトランスミッターとカメラオペレーターのみです。デバイスは操作が簡単で、複雑なセットアップは必要ないため、カメラオペレーターとクルーは数分でライブの準備を整えられます。レイエス氏は「ボート、カヌー、サイクリングなどの長距離イベント、そして看板種目であるマラソンでは、リモートワークフローとDejero EnGoが提供する信頼性の高い接続により、無線リンクを使用しなくてもイベントを制作できました」と補足しました。

glass-to-glassの遅延が1秒未満のEnGoモバイルトランスミッターは、今大会の各スポーツ会場とローミングカメラからのフィードを、アスンシオンのIBCにある23台のDejero WayPointレシーバーに確実に送信しました。 また、Quality社ブエノスアイレス拠点に追加された10台のWayPointレシーバーは、マトリックスに入力され、スイッチャーおよび再生システムと共有されるビデオフィードを再構築し、デコードに使用されました。パッケージ化されたコンテンツは、放送権を持つ放送局に配信するために衛星経由でアップリンクされ、ログ取得とクリップ保存用にインジェストシステムに保存しています。放送権を持つ放送局には、パラグアイの地方放送局であるTIGOとパラグアイTVのほか、アルゼンチンのTyC Sports、TVNチリ、CDOチリ、COBブラジル、Panam Sportsが含まれます。

最後に、今回構築したワークフローについて、レイエス氏は次のように話しています。
「1台または複数の中継車で1日に複数のスポーツをカバーすることは、コスト面からも物理的距離の面からも不可能なことです。柔軟なリモートプロダクションワークフローは、カメラが中継車に繋がれず、ある会場から次の会場に簡単に移動できることを意味します。今回のイベントは、パラグアイの音響と映像の歴史における画期的な出来事となりました。視聴者は私たちの映像に夢中になっていました。放送権を持つ各放送局からは毎日、画質と配信について褒めていただいていますし、ネットワークからのフィードバックも素晴らしいものでした。」


Quality社について
Quality社は、スペイン・マドリードに本拠を置く国際的な放送制作会社で、スポーツ放送局、メディアサービスプロバイダーなど、さまざまな放送局/配信会社にハイテクサービスとソリューションを提供。世界中のスペイン語とポルトガル語のメディアグループをリードするPRISAのアドホック制作部門向けにオーディオビジュアル変換を担ってきました。創業以来、文化、教育、ニュース、情報とエンターテインメントなどのコンテンツ制作と配信を行っています。特にリモートプロダクション分野では、スポーツ制作用にさまざまな革新的な方法を生み出すことで確固たる地位を築いています。
https://qualityproducciones.es/en/home/

製品に関するお問い合せ

株式会社朋栄 国内営業本部
TEL:03-3446-3121 FAX:03-3446-4451

お問い合わせフォームはこちら