活用事例

プロ麻雀リーグ「Mリーグ」のスタジオがStarTracker、Brainstormを活用

納入事例
プロ麻雀リーグ「Mリーグ」のスタジオがStarTracker、Brainstormを活用

「Mリーグ」ライブ番組用にHVS-490、EzV-300などをスタジオサブに導入


2018年11月7日
株式会社朋栄
東京都渋谷区恵比寿3-8-1

株式会社朋栄(代表取締役社長:清原克明、本社:東京都渋谷区)は、株式会社朋栄(代表取締役社長:清原克明、本社:東京都渋谷区)は、東京・浜松町にある「Mリーグスタジオ」に、Mo-Sys社カメラトラッキングシステムStarTracker、バーチャルスタジオ/リアルタイムCG(RCG)システムBrainstorm eStudio、キャラクタージェネレーターEzV-300、ビデオスイッチャーHVS-490などを納入いたしました。StarTrackerは、日本で初めて、スタジオ常設での採用となります。

Mリーグスタジオは、麻雀のプロスポーツ化を目指して2018年7月に設立された一般社団法人Mリーグ機構様(本社:東京都渋谷区)が、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」(*)の試合を行い、生中継するための専用スタジオとして運用しています。スタジオ構築にあたっては、株式会社サイバーエージェント様(本社:東京都渋谷区)がシステム設計し、三友株式会社様(本社:東京都品川区)が施工を担当いたしました。

StarTrackerを常設したMリーグスタジオ

■放送クオリティで安定運用できる機材にてスタジオ設備を構築
Mリーグスタジオ(スタジオ内 床面積170m2)の中央には、1台の麻雀卓が設置され、卓を囲むように各選手の手牌と表情を狙うリモートカメラが9台、麻雀卓の真上から捨て牌を映すリモートカメラが1台、スタジオ全景を写す小型固定カメラが壁面に1台配置されています。さらにクレーンカメラ1台が加わり、合計12台のカメラでMリーグの試合を撮影、株式会社サイバーエージェント様が運営するインターネットテレビ局「AbemaTV」にて生中継を行っています。スタジオ構築に関わった株式会社サイバーエージェント スタジオ運営センターの近藤信輝氏は、スタジオ構築について次のように話しました。

「麻雀の社会的地位向上に加え、プロスポーツとしての魅力を伝えるため、これまでの麻雀のイメージから、よりスタイリッシュなものに変えたいと、専用スタジオを構築することになりました。本格的な麻雀番組制作のため、放送クオリティに近い機材を選定しました。Mリーグスタジオは、本社とは距離が離れており、より安定運用が可能な機材であることも重要でした」

カメラの動きに追随するAR表現を活用

■トラッキングシステムとして毎日のCG位置調整が不要なStarTrackerを選択
「選手情報や試合情報のテロップにデザイン性のあるグラフィックスを活用することで、麻雀を新しい競技スポーツとして楽しめるようにしました」と話す近藤氏は、テロップにAR技術を活用することにしました。カメラに追随するCGに使用するリアルタイムカメラトラッキングシステムにStarTrackerを導入したことについて、近藤氏は「毎日のCG位置調整作業が不要でメンテナンスしやすかった」ことが決め手だったと話しました。StarTrackerはクレーンカメラに取り付けられており、天井に反射マーカーが貼られています。この反射マーカーの配置をトラッキングセンサーが読み取ることで、スタジオ内のカメラ位置(X/Y/Z)と向き(パン/チルト/ロール)が出力されます。さらに、カメラレンズに取り付けられた非接触型センサーによりズーム/フォーカス情報も出力。これらのトラッキングデータを利用して、動きのある映像に追随するCG合成出力が得られます。

■StarTrackerと連動し、リアルタイムのAR表現を実現するeStudio
StarTrackerのトラッキングデータを使用したAR合成と、リアルタイムCG(RCG)制作用には、Brainstorm eStudioが採用されました。eStudioを使用して「試合中の『リーチ』宣言と同時に視聴者に知らせるCG演出をワンアクションで入れられるように工夫しました」と話すのは、スタジオ運営センターの岡平伸一氏です。

「麻雀は、数秒後には次の人が牌を打っていることが多く、通常のカメラスイッチングをしながらも、必要なときに短時間で素早くCG演出を行うことが必要でした。リーチした瞬間に視覚的な効果が入るようにしています。今回の演出は、一見すると、そこだけ編集したかのような印象を与えられ、スピード感だけでなく、スケール感のある映像を狙いました」

このCG演出は、eStudioに搭載された朋栄のビデオカードMBP-2422WSが、ビデオウォールV1/K1、V2/K2の2系統を扱えることを利用して実現。クレーンカメラの映像にCGを乗せたビデオウォールに、ビデオスイッチャーでテロップを組み合わせた後、背景にスタジオ全景の固定カメラ映像を合成してリアルタイムに出力しています。

HVS-490を使用するスタジオサブでは、
eStudioやEzV-300を活用

■HVS-490のマルチビューワー4K出力を、審判や解説者向けに活用
今回、スタジオサブには、ビデオスイッチャーにHVS-490、キャラクタージェネレーターにEzV-300、信号処理にFA-505も活用されています。

EzV-300は、1台で2系統出力できることから採用いただきました。番組配信中にテロップを変更したり、3D効果を加えたテロップの作成に活用されています。ビデオスイッチャーHVS-490には、スタジオ内のカメラ12台に加え、実況室内の小型固定カメラ映像、EzV-300の2系統分のテロップ、2台のeStudioからのV1/K1、V2/K2が入力されています。これらの映像は、HVS-490のマルチビューワー機能を使用して、スタジオサブで表示されています。さらに、麻雀卓の周囲にある8台のリモートカメラ映像と天井カメラ映像、プログラム出力の映像を組み合わせて10画面マルチモニターとして4K出力し、審判室や実況室に向けても出力しています。

「最終のスイッチング映像だけでなく、スタジオ内にある複数のカメラ映像を同時に1枚の4Kモニターに表示できることは便利でした。判定や解説/実況には、選手全員の表情や手牌を確認できることが必要。確認用のマルチビューワー機材を追加することなく、各部屋での判定や解説が可能になりました」(近藤氏)

Mリーグスタジオのスタジオサブは、「AbemaTV」と他の事業者が同時に配信することも考慮しており、機材を2セット導入することで将来的には2番組を同時に制作できるように設計されています。

(*) Mリーグは、一般社団法人Mリーグ機構が発足させたプロ麻雀リーグ。麻雀を競技化し、健全化を図ることで、麻雀自体の社会的地位の向上および認知の拡大、新たなファン層の獲得を目指しています。今シーズンは、「大和証券Mリーグ」2018として10月1日に開幕し、7社が参加。各社3名のプロ雀士がチーム所属し、各チームで80試合が行われます。

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