1台で制作現場に安心と柔軟性を届ける
4K/12G/6G/HDR/広色域 全てに対応したマルチパーパスシグナルプロセッサー。1台で2系統のHD/SDビデオ、オーディオ信号の各種プロセス処理が可能。12G-SDI対応に加え、高度なHDR変換、SFP+モジュール対応、MADI/Dante/アナログオーディオ入出力等映像制作現場で求められる機能を集約。他の追随を許さない万能プロセッサーとして回線、中継、報道、制作、編集、送出などそれぞれの現場で活用いただける。
HDR、広色域時代に向けて
1台で複数チャネルのプロセス処理が可能なFA-1010のコンセプトを継承し、5チャネル版の姉妹モデルとして開発。チャネル数は減少しているが、代わりにアップ/ダウン/クロスコンバート機能を実装できるようにした。中継車をはじめ、省スペースでのシステム設計が必要な現場で好評いただいている。FA-1010同様に4Kのプロセッサーとしても利用可能だが、4K制作の盛り上がりとともに注目されてきたのがHDR(ハイダイナミックレンジ)と広色域である。解像度の進化に加え、映像に圧倒的なリアリティと美しさをもたらすこれら技術により、映像はひとつ上のレベルへと昇華されることになる。FA-505はこのHDRと広色域にいち早く対応し、従来のダイナミックレンジと色域との相互変換や各種Logカーブの変換に対応し、次世代の映像制作を大いにバックアップしている。
時代は多機能かつ多チャネルへ
FA-9000シリーズは、1台の筐体内にプロセス処理に必要なあらゆる機能を実装するというコンセプトが市場から評価され、業界のスタンダードとして認知されるようになっている。多機能化が進む中で、複数のチャネルに1台で対応した「多チャネル」対応製品を要望する声も高まってきていた。そこで、FA-9500の2チャネル対応モデルとしてFA-9520を開発、さらに、それ以上の多チャネル対応モデルを目指し、本製品の開発となった。FA-1010は、1Uの筐体内に10入力10出力かつ10系統ものプロセス回路を有している。10系統のカラコレ機能や音声処理回路のほか、入出力にはルータを有しており、本製品1台で様々な信号処理を集約できる。2013年のNABで発表後、世界中より強い反響を頂いている。
「全部入り」プロセッサーの登場
放送局がHD化されるにあたり、HD対応製品が必要となっていた。新たなTBC/FSの開発にあたり、HD対応だけでなく、アップ・ダウン・クロスコンバータも含めることで、FS/TBCの枠を超えた、「全部入り」のプロセッサーを目指す事となった。開発をスタートしたものの、機能が多すぎたことから、これまでのようなシンプルなフロントパネルでは操作しきれない問題が発生。そんな時、カーナビのカタログで暗い中でもボタンが発光している写真を見て、ボタンの裏から色を透過させて色付けするインターフェースをひらめき、製品への採用となった。FA-9000からはじまったプロセッサーの新たな歴史は、その後、FA-9100、FA-9500、FA-9520、そしてFA-1010へと引き継がれていく。
単体モデルとモジュールモデルの同時展開
FA-350シリーズで培ったデジタル化技術をベースにローコストかつ小型化を実現したモデル。アナログコンポジット入出力に対応したFA-115をはじめ、Y/C入出力対応モデルFA-125、SD-SDI対応モデルFA-145、FA-147、14ビット対応モデルFA-128など、多数のモデル展開を行っている。また、単体製品と同時にモジュール製品も同時展開。UFMシリーズとして必要なモジュールを組み合わせて構築可能な製品としてシステム構築時に活躍している。
21世紀、時代はデジタルへ
21世紀のスタートなったこの年、朋栄は創立30周年を迎えた。本製品はFAシリーズとして21世紀初の記念すべき製品となるべく、若手技術者を中心に最新のデジタル技術を駆使して設計された。後にFA-350シリーズと呼ばれる同シリーズには、アナログコンポジット対応のFA-350を筆頭に、アナログコンポーネント対応版のFA-360、SD-SDI対応版のFA-370、SD-SDIに加え、オーディオ入出力にも対応したFA-390、FA-390のオーディオ機能を強化したFA-395、さらにはその後継モデルFA-395Aが開発された。10年以上の長きにわたり主力製品となったロングセラーモデルである。
宇宙でも活躍、FA-310シリーズ
TBSの宇宙プロジェクトを介し、旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」より、地上に録画画像を送るための装置の特注依頼を受けた。打ち上げ時には強烈な振動があること、さらには打ち上げ費用は重量1グラムあたりいくら、という高額な世界なため、ミッションに不要な部品を外し、部品と基板をシリコンボンドで固め、アルミケースに収容して予備機と共に2式納入した(1990年8月)。特注版FA-310Pは、無事に宇宙での任務を果たし、後に宇宙プロジェクトの関係者が返礼に来社。市販モデルも市場から高い評価を受け、13000台以上を販売。FAシリーズでは最も販売台数の多い製品となった。
TBCの朋栄と呼ばれた時代
1985年に千葉県佐倉市に新たに建設された佐倉研究開発センターにて、TBCのFSとしての機能を重視した製品として開発。TBCは時間軸補正の目的だけでなく、FS、動画メモリ、プロセス装置、トランスコーダ等として多目的に用いられるようになった。開発側では思いもかけない用途に利用され、予想だにしないさまざまな要望を受けた。また各社それぞれVTRに癖があり、世界中のユーザの要望に対応することに苦労した。しかし、そのお陰で「TBCの朋栄」と呼ばれるようになり、展示会等に出展するとその場で数百台の受注を受けてうれしい悲鳴をあげることもあった。
FAシリーズの第一号
米国のエンジニアの指導のもと、朋栄オリジナルのタイムベースコレクタ(TBC)を開発し、全世界に向けて発売するという方針が示された。型名はFOR-AのFと米国のエンジニアの頭文字であるAをとってFA-410Pとし、そこから朋栄のプロセッサー「FAシリーズ」の歴史がスタートした。開発当初、日本の担当者が米国のエンジニア宅に滞在し作業を行なった。試作機は1981年の展示会「IBC」に間に合わせたが、冷却機構に問題があり、来客の合間に電源を切って温度を下げるなど綱渡りでの出展となった。後に温度特性を改良し、製品版として出荷。最終的には1500台以上の出荷となった。