FA-505

主な特長

ビデオ機能

次世代制作環境を見据えたバージョンアップ

Logカーブ情報を登録できるHDR(ハイダイナミックレンジ)対応*

HDR(ハイダイナミックレンジ)映像に対応し、SDR(標準ダイナミックレンジ)とHDRを相互変換することが可能になりました。
信号変換に必要なLogカーブ情報は、任意のファイルを本体に登録でき、適切なLogカーブを割り当てることができます。

  • FA-505 ではSQD、2SI 信号の相互変換はできません。また、ITU-R BT.2100 で規定されているHLG (Hybrid Log-Gamma) OOTF には対応していません。
    HLG と他のガンマカーブ (SDR やSMPTE ST 2084) 間では、シーン参照型 (Scene Referred) 変換はできますが、ディスプレイ参照型 (Display Referred) 変換はできません。

ITU-R BT.2020のWCG(広色域)に対応

広色域ITU-R BT.2020に対応し、ITU-R BT.2020とITU-R BT.709の相互変換が可能になりました。

4K 2SI信号に対応

これまでは4K SQD(Square Division)信号のみの対応でしたが、バージョンアップにより2SI(Sample Interleave)信号にも対応しました。

フレームレート変換機能を搭載

29.97pから59.94p、50pから25pなど、フレームレートを2倍、1/2倍にする変換機能を搭載しました。

低フレームレート(23.98p, 30p)の4Kカメラ信号に対応

23.98p, 30pといった、低フレームレートを使用する4Kカメラの映像出力に対応しました。

フレームシンクロナイザ機能

朋栄のフレームシンクロナイザは、状態の悪いビデオ信号に対して圧倒的な引き込み性能を持っています。同期モードはフレーム/ライン/AVDLから選択可能。いずれのモードにおいてもアンシラリデータはH/Vともに通過させることが可能です*。

  • 入出力フォーマットが異なる場合には通過可能なパケットに制約があります。

Frame Syncモード

ゲンロック信号に対して同期させて出力するモードです。ゲンロック信号とビデオ入力信号が同期/非同期のどちらの場合でも使用できます。

Line Syncモード

ゲンロック信号に対して±1/2ラインの範囲で同期させて出力するモードです。ゲンロック信号をビデオ入力信号が同期の場合にのみ使用できます。

AVDLモード

ゲンロック信号に対して一定の遅延で出力するモードです。引き込み範囲はHD時5H、SD時1Hになります。ゲンロック信号とビデオ入力信号が同期の場合にのみ使用できます。

Line Sync (Minimum) モード

入力された信号を最小遅延にて出力するモードです。ゲンロック信号とビデオ入力信号が同期の場合にのみ使用できます。

プロセスアンプ

ビデオレベル、クロマレベル、ブラックレベル、HUEの調整が可能です。個別での調整はもちろん、チャネルリンクにより、複数のチャネルを一括コントロールすることも可能です。また、補正前/補正後を確認するための分割表示機能も有しています。

アップ/ダウン/クロス/アスペクトコンバータ (オプション)

各プロセス回路にアップ/ダウン/クロス/アスペクトコンバータ機能を追加可能です。3G/HD/SDの相互変換を実現します。

  • アップコンバータ:SD→HD、HD→3G、SD→3Gへの変換が可能
  • ダウンコンバータ:3G→HD、3G→SD、HD→SDへの変換が可能
  • クロスコンバータ:1080i→720P、720P→1080iへの変換が可能
  • アスペクトコンバータ:レターボックスやサイドカットをはじめ、多彩なアスペクト変換が可能

カラーコレクタ機能

放送業界で実績のあるカラーコレクタ機能を各チャネルに標準搭載。10系統のカラーコレクタを自由にお使いいただけます。
カラーコレクションモードは3種類。単独またはグループでの色調整が可能です。パラメータの差を保ったまま各チャネルをリンクすることも可能です。

  • バランスモード:RGBによる色調整
  • ディファレンシャルモード:ホワイトバランスを崩さずに色調整
  • セピアモード:モノクロまたはセピアに色変換

各パラメータには朋栄のカラーコレクタではおなじみのUNITYボタンを搭載。ボタンを押すだけでデフォルト状態に復帰させることができます。
補正前/補正後を確認するための分割表示機能も有しています。
4Kモードを利用して、4Kカラーコレクタとしての利用も可能です。

クリップ機能

朋栄のカラーコレクタで評判のクリップ機能を継承。Y/PB/PRまたはRGBクリップ機能により、色情報を最適な範囲内に押さえ込むことが可能です。

  • Y/PB/PRクリップ:ホワイトクリップとブラッククリップ機能により、ホワイトバランスを保ったまま、必要以上に明るい/暗い色情報を範囲内に調整可能。
  • GBRクリップ:ホワイトクリップとブラッククリップ機能により、必要以上に明るい/暗い色情報を範囲内に調整可能。撮影時に発生した意図しない色情報を補正します。

SDI入出力それぞれにセレクタ機能を搭載

SDI入出力それぞれにセレクタ機能を搭載。入力段でプロセス経路を選択し、さらに出力段で出力する端子を選択することが可能です。

クリーンスイッチ

出力部にはクリーンスイッチを搭載。映像、音声ともにノイズやショックなく、スムーズな切り替えを実現します。切り替え方法は、クロスポイントを直接操作するダイレクトモードのほか、TAKE操作で一括切り替えを行うTAKEモード、さらに、クロスポイント設定を保存し、一括で切り替えるSALVOモードを搭載。プロセス処理付きのルーティングスイッチャとしても十分に活用可能です。

ディレイ調整

最大8フレームまでのフレームバッファを搭載。各チャネル個別にディレイ調整が可能です。

入出力バイパス

電源断や障害発生時にプロセス機能をバイパスし、映像を出力するバイパス機能を搭載しています。

ANC MUX/DEMUX

ビデオ信号に重畳されたアンシラリ(ANC)信号は最初に分離され、プロセス回路とは別に処理されます。ANCデータはチャネルごとにそのまま通過するか、設定されたANCデータを重畳しなおすか、ブランクにするかを選択することができます。

タイムコードインサータ/ジェネレータ

タイムコードは、外部からのLTCタイムコード入力のほか、内蔵のタイムコードジェネレータを選択できます。チャネルごとにPass、外部TCまたは内蔵TCに準拠するかどうかを選択可能。また、搭載のLTC端子は外部LTC入力のほか、内蔵TCの外部出力として利用することも可能です(選択式)

テストシグナル出力

チャネルごとに100%カラーバー、75%カラーバー、SMPTEカラーバー、Ramp信号の出力が可能です。

イベントメモリ

FA-505で設定した各種パラメータはイベントメモリとして内部に保存することが可能です。本体には最大100件の保存が可能です。また、PCを使って設定データをバックアップ/リストアすることも可能です。

SNMP

FA-505は標準でSNMPに対応しています。電源、ファン、信号等に関するアラーム監視をSNMP経由で行うことも可能です。

映像出力拡張オプション

オプションスロットに映像出力拡張オプションFA-10DOを追加すると、1スロットあたり2系統2分配出力の拡張が可能です。

オーディオ機能

各ビデオ系統にて16チャネルのエンベデッドオーディオに対応

エンベデッドオーディオは、3G/HD(同期/非同期)、SD-SDI*(同期) 1系統あたり16チャネルに対応。5系統すべて合わせると最大80チャネルものオーディオ入力を処理可能なパワフルな性能を有しています。

  • SD-SDI出力時のオーディオは12チャネル

オーディオオプションの追加により、最大112チャネルに対応

FA-505にはオプションとしてデジタルオーディオ入出力、アナログオーディオ入出力を用意。オプションスロットに実装することで、A/D、D/A変換はもちろん、エンベデッドオーディオ信号と組み合わせたリマップ、MUX/DEMUXが可能です。

FA-10AES-BL: 平衡デジタルオーディオ入出力

4系統(8チャネル)の平衡デジタルオーディオ入出力が可能です。

FA-10AES-UBL: 不平衡デジタルオーディオ入出力

4系統(8チャネル)の不平衡デジタルオーディオ入出力(4チャネルごとに入出力切り替え)が可能です。

FA-10ANA-AUD: アナログオーディオ入出力

2系統(4チャネル)の平衡または不平衡アナログオーディオ入出力が可能です。

ゲイン調整

オーディオチャネルごとにゲイン調整が可能。ボタンを押すだけで基準値に戻すことが可能なUNITYボタンも実装しています。

サンプルレート変換

デジタルオーディオ全チャネルにサンプルレートコンバータ回路を搭載。システムに同期した出力が可能です。

ディレイ調整

オーディオチャネルごとにディレイ調整が可能です。1ms単位、最大1,000 msまで調整ができます。また、オーディオグループ一括でのディレイ調整も可能です。ボタンを押すだけで基準値に戻すことが可能なUNITYボタンも実装しています。

チャネルリマップ機能

ビデオにエンベッドするオーディオチャネルを、順番を含めて自由に変更可能です。5系統のビデオすべてのチャネルにまたがってリマップが可能です。オプションのオーディオチャネルとの差し替えやメイン音声と副音声との差し替え等に便利な機能です。

ダウンミックス

5.1CH音声からステレオへの変換等に便利な機能。L/R/Center/SL/SRそれぞれへのアサインチャネルの変更やゲイン調整、ダウンミックスモードを選択できます。ステレオペアをモノラルに変換するMono Sumモードも搭載しています。

極性反転

オーディオチャネルごとに極性を反転させることが可能です。意図せず位相がずれてしまったオーディオチャネルを修正することができます。

マスターミュート

ビデオチャネルまたはオーディオオプションごとに音声をミュートすることが可能です。

テストシグナル出力

ビデオチャネルまたはオーディオオプションごとに500Hz、1kHz基準信号を出力することが可能です。また、オーディオチャネルごとにも基準信号を出力することが可能です。